数年ぶりにテイルズを初見プレイした話。

先日テイルズオブグレイセスfを、エクストラエピソード「未来への系譜」編までクリアしました。裏ダンジョンや闘技場などのサブイベントはまだ手を付けていないので、完全クリアではありませんが、アスベル達の旅は最後まで見届けることができたので、とりあえず達成感と余韻に浸っているところです。

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色々と語りたいことがあるのですが、こちらの長文をTwitterに上げて、TLでこれが目に入った方に読んでもらい、グレイセスに興味を持って欲しいなと(フォロワー少ない俺の駄文に目が止まってくれるのかということは気にしてはいけない)、ここでは未プレイの方が読んでも支障が無いようネタバレ無しの感想を書きたいと思います。

 

ということで、まず一言……最高でした

噂には聞いていましたが、いざプレイしてみると本当に楽しかったです。テイルズ恒例のテーマ性が強いシナリオは勿論、戦闘システムに関しては爽快の一言。シリーズの中でも特に操作し易くて快適と言われるだけのことはありました。

 

基本テイルズには技名の無い通常技なるものがあるのですが、なんとグレイセスはそれを撤廃。代わりに、戦闘スタイルを⭕️ボタンと❌ボタンで分けるという、他シリーズと比べてもかなりスタイリッシュな術技システムでした。

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↑は⭕️ボタンとスティックを組み合わせて押すことで繰り出すことが出来るA(アーツ)技の一覧と、その発動ルートで、コストの軽い技から順に放っていく仕組みになっています。

例に挙げたアスベルのA技は帯刀状態から繰り出す動きの速い技で、剣ではなく拳や足を基本的に使います。

これに対し❌ボタンとスティックを組み合わせて押すことで繰り出す技をB(バースト)技といい、こちらは習得したB技から好きなものを最大4つまで選んで使うという、いつものテイルズお馴染みの特技システムと似たようなもので、アスベルの場合だと抜刀した状態からの剣技になります。

 

他のシリーズではよく、特技や奥義と言った区分を技に設け、連続して技を繰り出す(連携)にも順番があったのですが、グレイセスのA技は初めから連携のルートが決まっていますし、B技はなんと連携に順番がなく、好きなように技を使いたい放題なんですよね。しかも、A技の途中でB技に移行したり、その逆も可能。と言っても勿論CC(チェインキャパ)という仕組みの範疇で、ですが。

(ちなみに何故A技B技なんて技区分にしたのかというと、元々グレイセスはwiiのソフトで、wiiのコントローラーで技を繰り出すボタンがAとBだから、というのが理由だと思います。)

 

そのCCについて解説すると、グレイセスはリメイク版テイルズオブデスティニーと同じくCCというシステムが組み込まれており、文字通り技を連携(チェイン)する上限(キャパシティ)を設けている、というものです。

さっき上げた画像を見てもらうと、アスベルのCCが11〜27と表記されていますが、これは

「戦闘開始時のCCは11で、戦闘中ボーナス等が入って最大CCを27まで上げることができる」

という意味です(勿論この最大CCは一回の戦闘毎にリセットされ、また次の戦闘からはCCが11から始まります)。

そしてA技のルート表の上にCC1〜4とありますが、これは「下記のA技使用時に支払うCC値」を示しています。

 

例を挙げると…CC上限を20まで上げ、A技を連携して「葬刃」まで発動すると、消費CCは1+2+3+4で、計10のCCを消費するので、残りCCは10……そのまま繋げて、再び「葬刃」までの連携を繰り出すことができます。

 

まぁ言葉で説明するより、やってみないことにはどれだけ爽快なシステムか分からないですけどね笑

 

相手の攻撃を避けたり、仲間と同時に攻撃してコンボ数を稼いだりしてボーナスを貰い、どんどん技の連携範囲を広くして戦闘を快適にしてゆく……自由度も高いだけでなく、回避方法も様々で奥が深い、テイルズシリーズの中でも特に楽しい戦闘システムなのは、間違いないです。

 

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また他のシステムで面白いと思ったのは「称号」ですね。

テイルズシリーズには、シリーズ初代のテイルズオブファンタジアの頃から「称号」というシステムがあり、文字通りストーリー中やサブイベント等を経て、称号を贈られます。この称号ですが、シリーズによって重要度が異なり、ファンタジアに関しては贈られたところで何も無い、まさに肩書き程度のシステムですが、例えばテイルズオブシンフォニアですと、称号を付けると「レベルアップ時に上昇するステータス」を変化させることができ、中々馬鹿に出来ないシステムだったりします。中には特定の称号を付けることで、そのキャラクターの衣装が変わったりするのもあり、これもまたテイルズシリーズの醍醐味ですね。

 

で、今回のグレイセスfの称号システムですが……

馬鹿に出来ないとかじゃなくて、もはや必須レベルのシステムでしたね。

 

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↑の画像が、グレイセスfの称号システムのメニューですが……四角だったり剣だったり盾だったり色んなマークがありますが、それら1つ1つが称号です。しかも、その称号1つ1つに画像のような色々書いてある項目が表示されてますが、なんとグレイセスfでは技や術をレベルアップではなく、称号で習得します。

称号をセットして、戦闘を繰り返すことにより、その称号に付属した技や術を習得するという、これまでプレイしてきたテイルズの中で、グレイセスが一番称号システムに意味を持たせていたと思います。称号を育てる、という感覚でしょうか……めちゃくちゃ楽しかったですね。贈られた称号に技が付属していた時は「おおっ!早速セットして覚えよう!」って、称号を手に入れる度にワクワクしました。

 

と、ここまではシステム面での感想でした。やっぱテイルズといえば戦闘の面白さ!って部分もあり、もちろん他シリーズの戦闘システムも好きなのですが、グレイセスfは本当に戦闘が面白くて……この爽快感とやり込み要素はぜひ多くの人に味わってもらいたいですね。

 

そして、このグレイセスfという作品のシナリオやテーマ性についても、ネタバレ無しで語っていきますが……テイルズ史上、最も心温まるテーマだったと思います。

 

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テイルズシリーズといえばテーマ性の高いシナリオが評価されるゲームで、自分としてもアニメにせよ読み物にせよ、設定やストーリー性といった要素よりも、テーマ性という要素を最重要視したい人種なので、子供の頃からテイルズシリーズとは相性が良いのですが……テイルズってテーマが結構重いんですよね。

テイルズオブジアビスなんかその最たるもので、「生まれた意味を知るRPG」という売り文句で、実際に「存在意義」がテーマになっていて、初めてプレイした時は小学生の頃でしたが、終盤なんて辛すぎて延々と泣いてましたし、今プレイしても絶対泣きます(ジアビス大好きですけどね)。

他にも色んなテーマのテイルズシリーズがありますが、グレイセスfは他シリーズと比べると本当にハートフルで、グレイセスのテーマは「家族」でした。

 

え、家族なんてテーマ、結構ありふれてるんじゃない?と思いますが、テイルズでここまで家族について言及したのは初めてでしたね。

テイルズオブシンフォニアでも一部のキャラが設定的な部分で家族の要素が大きかったりしますが、グレイセスfでは操作キャラ全員に「家族」というテーマに沿った関係性やエピソードがふんだんに盛り込まれており、中盤辺りからはそのテーマ性がしっかりシナリオに活きてきて、とても優しい気持ちになりながらプレイしていました。

 

と言っても、やっぱりテイルズ。終始ハートフルなわけがありません。序盤は特に主人公アスベルの受難が延々と続き、かなりしんどかったです。しかしこの辛さがあるからこそ、序盤からアスベルを中心に感情移入させてくれるようになっているので、「辛いからつまらない」のではなく、「辛いからこそプレイし甲斐がある」といった感じなんですよね。その辺りはテイルズお馴染みの手法で、どんどんシナリオにのめり込んでいきました。

 

「家族」なんてありふれたテーマとはいえ、だからこそ色んな人にオススメしやすいというのが、グレイセスfの素晴らしいところだなと。……個人的に「家族」というテーマに滅法弱いのも、グレイセスfをこうして推そうと思った理由なんですが笑

 

また、そのテーマ性を色濃くする重要な要素として、作中では「守る」という言葉が、特に主人公アスベルの口から出てきます。グレイセスfのジャンルが「守る強さを知るRPG」だったり、主題歌がBoAの「まもりたい 〜White Wishes」だったり、とにかく「守る」という言葉について言及されています。

 

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口にするのは簡単な言葉ですが、某ガンダムの主人公の台詞を借りると「想いだけでも、力だけでも」意味を成さない、体現するにはとても難しい言葉です。

実際作中で、アスベルは自身の未熟さから「守りたい」かけがえのないものを失い放心する展開や、「守るべきもの」を犠牲にしなければならないという選択肢を突きつけられ必死に足掻こうとする展開があるわけですが……アスベルは常に大切なものを「守りたい」という気持ちを胸に抱いています。

 

そしてこの「守りたい」という願いが、本作の「家族」というテーマ性に直結していくのですが、その過程が本当に丁寧なんですよね。守りたいほど大切なもの……人によってそれぞれだと思いますが、自分以外に守りたいと思う他人というのは、どういう存在なのか。また守る為に必要なこととは何なのか。どうしても自分の書いた文章だとチープに感じてしまうかもしれませんが、その「守りたい」という強き想いに対する言及の丁寧さは、実際にプレイしていただければ感じてもらえると思います。

 

あと、これも「家族」というテーマを描く過程で大切になってくる部分ですが、いわゆるカップリングというものに惹かれる方にも、是非オススメしたい作品ですね。

ここもグレイセスの面白い部分なんですが、主人公のお相手が、メインヒロインではないんですよ。といってもパーティメンバーなので、モブキャラとくっつくとかそんなんじゃないですけど笑

とはいえ恋愛要素が強いのに、メインヒロインが主人公の相手ではないという構図は、プレイしていても本当に異色でした。しかしこれも、「家族」というテーマ性を描く上で、かなり重要な構図になっているのが面白くて。プレイしていただけると、ニヤニヤが止まらないこと間違いなしです笑

 

更に、やはりこれもテイルズの醍醐味ですが……声優さんの演技力が凄まじいですね。シリアスなシーンの台詞にしろ、ギャグシーンでの台詞にしろ、グレイセスfでも芝居の力強さに、何度も泣かされたり、笑わされたりしました。テイルズ自体、昔から芝居作りがアニメっぽくて(作中アニメシーンを挟むというのもあり)、とても感情移入しやすく、一度プレイすると忘れられなくなるような名言もありました。アスベル役の櫻井孝宏さん、ソフィ役の花澤香菜さんなど、他にも多くの実力派声優が揃っており、この壮大で温かな物語を、色鮮やかに飾ってくれていました。

 

 

と、いうわけで、テイルズオブグレイセスfをクリアした感想でした。自分がグレイセスより前にプレイした最後のテイルズシリーズがPS3テイルズオブシンフォニアユニゾナントパックで、そちらにハマっていたのも、もう6年以上前。ただシンフォニア自体はPS2版で、同梱の「ラタトスクの騎士」という作品も初出のWii版でプレイ済みで、どちらもPS3移植版であるユニゾナントパックで初見というわけではなかったので、初見のテイルズシリーズを購入し、ストーリーを最後までクリアしたのは、本当に久しぶりでした。そして、その久しぶりとなるテイルズが、グレイセスfで良かった……噂に違わぬ名作だったと、確信を持って言えます。

他にもPS3のテイルズは色々あり、当初はテイルズオブエクシリアという作品を買おうと思っていたのですが、Amazonで検索してみたところ、なんと今回プレイしたテイルズオブグレイセスfはたったの500円!!!wwwやっす!!!wwwと、あまりの安さに先に買ってしまったんですよね笑

名作なのは間違いないですが、今更PS3のゲームの需要が高いわけがなく、生産数の多さも相まってめちゃくちゃ安いので、ぜひ買ってみてはいかがでしょうか。これが3桁台の金額で買えるのは、破格です。本当にオススメします!

 

ここまでの駄文に付き合っていただいた方に、心からの感謝を。そして最後に……

 

テイルズは、良いぞ。

 

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